よくあるご質問

投資用マンションでサブリース契約にしていると、売却に不利になる?

サブリースが投資用ワンルームマンションの売却に与える影響について説明します

知っている方も多いかもしれませんが、サブリースとは所有者が部屋を直接入居者に貸すのではなく、賃貸管理会社(この場合はサブリース会社とも呼びます)に貸した上で、その会社が又貸しとして入居者に部屋を貸すかたちのことです。

厳密には所有者とサブリース会社との契約をマスターリース契約、又貸しとしてのサブリース会社と入居者の契約をサブリース契約と区別されていますが、一般的にはこの一連の仕組み全体をサブリース(家賃保証契約)と呼ぶことが多いため、このページでもそのような表現にしています。

サブリースにすることで手取り家賃は減りますが、実際に入居する方がいなかったとしても、サブリース会社が家賃を支払ってくれますので、所有者とすると賃貸がつかないことの損失やストレスからは解放されます

サブリース 契約をおすすめしない理由

長期保有が前提となるマンション経営においては、運用手法のひとつとして一定のメリットがあることは否定しませんが、売却という観点で考えるとお勧めできる理由はあまりありません

他のページでも詳しく解説していますが、市場での想定売却価格を考えるにあたっては、「投資用物件」は人に貸して収益を得ることが目的となりますので、得られている手取り家賃収入を投資家(購入者側)が期待する利回りで割り戻すことで、相場目安を確認するのが一般的です。

式であらわすと、次のようになります。

市場の売却想定価格 ≒ 得られている手取り家賃収入 ÷ 投資家の期待利回り

売却想定価格を引き上げるためには、分子部分の「手取家賃収入」を高く、分母部分の「投資家の期待利回り」を低く保つことが重要となります。(関連サイト:売却時の市場相場観の考え方)

サブリースにすることは空室リスクを下げることにつながり、分母部分の期待利回りを引き下げる効果はありますが、分子部分の手取り家賃収入を相当程度減らすことにもなります

そもそも東京ワンルームマンションは賃貸安定性が高いため、サブリースにすることで引き下げることのできる期待利回りは限定的にすぎないと想定されますが、サブリース家賃は手数料として相場家賃の10%~20%も減額されるため、トータルで売却想定額に与える影響はマイナスになる可能性が高くなります。

サブリース手数料が売却想定額に与える影響を、簡素化のため期待利回りが変わらない前提で試算すると、次のようになります。

期待利回り4.5%の物件の売却を想定する場合

通常家賃 90,000円 建物管理費等 15,000円

期待利回り4.5%からの売却想定価格⇒(90,000円-15,000円)×12÷4.5%=2,000万円

サブリース家賃 81,000円(通常家賃の90%で計算)  建物管理費等 15,000円

期待利回り4.5%からの売却想定価格⇒(81,000円-15,000円)×12÷4.5%=1,760万円

売却想定利回りが4.5%で家賃90,000円の物件だと、直接入居者に部屋を貸す場合と、家賃の90%のサブリース契約の場合で、その売却想定価格に240万円の差が生じます。(ちなみにこの価格差を期待利回りの引き下げがカバーするには、おおよそ0.5%、つまりサブリースにすることによって、当初の期待利回り4.5%が4.0%に下がる必要がありますが、市場でそこまでの評価がされるかは厳しいところでしょう)

さらにサブリース契約にすることは、いざ売り出す際の買い手候補の総数を大きく減少させてしまう可能性もあります

東京ワンルームマンションを売り出すと、不動産業者自身が買主として手を挙げてくれることが多々あります。

こういった業者は、その実績や信頼性から購入検討者へ有利な融資条件を提供できる「提携先金融機関」という武器をもっており、レインズ上に売り出されている物件も常に仕入れ対象として検討しています。

なぜなら、自社で買い取って利益を載せて市場価格よりも高く転売するとしても、少自己資金/低金利/長期ローン、といったメリットがあるため、購入検討者に投資用商品としての優位性をアピールできるからです。

このような形で物件の流通が行われているのは、この東京ワンルームマンション市場の現実的な一面で有り、市場がここまで成長した原動力の1つとも言えるものです。

そして、こういった会社の多くは転売を目的とした買取りと同時に、賃貸管理を自社で行うことを前提としています

そのため、他業者のサブリース契約が入っていることで、買取り後に入居者とのやり取りを直接行えない物件は、その購入対象から外されてしまうことがあるのです。

契約に関する課題

売却する段階でサブリースの解約ができれば何ら問題はないのですが、サブリース契約(家賃保証契約)とはいっても、所有者とサブリース会社との契約は一般的な賃貸借契約と同じように扱われます。つまり、貸主側(所有者側)の都合での解約には正当事由が必要で、借主側(サブリース会社側)の合意が得られない限りは、解約は非常に難しいものとなります。

それではサブリース会社が解約に合意をしてくれるかと言えば、サブリース契約を解除しないことこそが、売却による自社賃貸管理物件の流出、つまり大切な収益源の消失を防ぐことになるので、まずその求めには応じてくれないと考えて間違いはないでしょう。

サブリース の提案が来るタイミング

賃貸経営を続けていく中では、賃貸募集に向かない時期(いわゆる閑散期)での入居者退去や、実際に空室期間が長引いたときなど、賃貸管理会社からサブリースを提案されることもあるかもしれません。

目先の安心感を考えると優しい提案にも思えますが、実際にご自身の運用に取り入れるかどうかは、将来の売却へ与える影響をふまえて慎重に検討するようにしてください。

所有している物件で既にサブリース契約にしているものがある場合は、売却を現実的に考える前にサブリース契約の更新時期などを見計らって、サブリース契約から通常の賃貸管理契約への移行を打診するのも一つの手です。

賃貸管理会社(サブリース会社)によっては、自社管理物件の流出につながらない、売却を前提としないサブリース契約の解除には応じてくれることもあります。

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